たび猫の台湾旅行記2008

旅行3日目

万年百貨

 夫によると、“万年百貨”ビルは日本好きな台湾人のおたくが集まる場所として有名らしく、日本で言う秋葉原みたいなところらしいのだ。なるほど秋葉原にでもありそうな、ごちゃごちゃした感じの賑やかなビルだった。私はいつもならこういうところにはほとんど興味がないのだが、とりあえず一緒についていくことにした。

 今回台湾に行くまで知らなかったのだが、台湾は今熱い日本ブームらしいのだ。そのブームのきっかけを作ったのが、“哈日(ハーリー)杏子”という台湾人の漫画家で、彼女のおかげで日本の漫画やアニメ、ファッションなど色々な面で日本ブームが起きているらしいのだ。

 そのせいで日本語を学ぶ人たちが多く、今回私が感心したように、あちこちで日本語をしゃべれる人に遭遇することになっているみたいなのだ。もちろん年配の人は、戦前の日本統治時代の関係で日本語がしゃべれるのだろうが、若者は違う。昼間永康街で出会ったママも、今日本ブームなので日本語を学ぶ若者が多いと言っていた。

 そんな日本ブームを象徴しているような万年百貨に、夫はどうしても行ってみたかったらしい。私としても自分の国を好きだと言ってもらえば、それはとても嬉しい。特に今、東アジアは反日ムードが強いので、珍しく親日の台湾に私は想像以上の居心地の良さを感じたのだった。

 万年百貨は少し古そうなビルで、エレベーターはあるが使えるのかどうかよくわからないものだった。エスカレーターに乗って1階ずつ見ていく。日本の雑誌を専門に売っているお店や、日本のキャラクターのグッズが売っているお店など、様々なお店がある。どれも若者向きの感じのお店ばかりだ。夫はこの中のお店で、ブラックユーモアのギャグが書かれたTシャツを買っていた。

 そのお店は、ファッショナブルな最先端のお店らしく、夫が買おうとしたTシャツが1枚800元だというので、ぶっとんでしまった。800元は3000円近い金額である。これまた今まで私たちが経験してきた台湾の物価からは、驚くほどの高さである。何食ご飯が食べられるのかとため息が出てしまったが、さっき私も同じような買い物をしたので仕方ない。お店のおしゃれなお兄さんは、Tシャツ1枚を値段に見合ったとても豪華な箱に入れてくれた。

 夫があちこちのお店を見ている間、私は女の子向きのかわいい雑貨が売っているお店にふらふらと入っていった。するとそこのガラスケースの中に、ものすごく私好みのかわいいオムツケースを発見してしまった。色といい柄といい、まさに私好みだ。「うーん、欲しい」と思い、お店のお姉さんに値段を聞いてみることにした。

 若いかわいらしい感じのお姉さんに、しどろもどろの中国語で「これ、いくらですか?」と頑張って聞いてみた。するとお姉さんは、とてもあっさりと「あ、日本語大丈夫ですよ」と驚くほど流暢な日本語で返してきたので、がっくりきてしまった。どうしてこうも台湾人はみんな日本語を話せるのだろう。ありがたいことだが、中国語の練習にはまったく向いていない。

 しかも、私が欲しかったオムツケース、なんと日本製で日本でも売っているものだという。さらにがっくり。でもお姉さんは慰めるように、というか売りたいためか「でもきっと日本で買うよりも安いですよー」と言うので、先ほどから大金(?)の買い物が続いていてやけになっていた私は、そのオムツケースも買うことにした。590元。2000円くらいの金額だ。もうこうなったら両替した元は全部使い切ってやるという思いで、どんどん買うことにした。

 ところでこのお姉さん、あまりにも日本語が流暢なので日本に留学でもしたことがあるのかと思い聞いてみると、まったく行ったこともないという。ではどうしてこんなに流暢にしゃべれるのかと聞いたら、日本のアニメが大好きで、驚くことに全部独学でアニメから日本語を学んだというのだ!

 私が心から感心し、「本当に上手ですね」と言うと、「すごい嬉しいです♪」と喜んでいた。そしてつくづく思った。語学を習得するには、教材や環境うんぬんよりもなんといっても熱意が一番大切だということを。彼女の存在を見て、とても大切なことを学ばせてもらった私であった。

 ついでに彼女に、台湾で今流行っている歌手や音楽を教えてもらおうと思って聞いてみた。CDを買って帰りたかったからだ。すると彼女はとても興味なさそうに、「あー、私台湾の音楽とか興味がないからよくわからないんですー」と言っていた。興味がないものにはまったく興味を示さず、若者らしい反応だった。

 こうして、夫も私も買いたいものは買い、満足して万年百貨をあとにした。来るときには“武昌街二段”という通りを通ってきたが、帰りは1本違う道の峨嵋街という通りを歩いてみた。でもこの道も同じような賑やかなお店が並んだ、似たような道だ。途中で息子は疲れてバギーで眠ってしまい、ゆっくりあれこれ見ながら歩いて帰った。

スポンサード リンク


旅行前
息子パスポートの取得  台湾についての情報収集 

旅行1日目
出発の朝  成田空港  空港内の乗り物に喜ぶ息子  赤ちゃん万歳の国際線  順調なフライト  桃園国際空港の入国審査でも優遇される子連れ家族  ツアーの送迎バス  台北桃園空港から台北市内へ  車中、子育ての話で盛り上がる  コスモスホテル(天成大飯店)  とりあえず台北駅へ!  台北駅巨大地下街  夜の台北の街角  二二八和平公園と総統府へ  台北駅地下ショッピングセンターで食事  続けて夜食を食べる私 

旅行2日目
旅行で成長する息子  オッパイの傷  コスモスホテルでの朝食  今度は息子の頭が一大事!  台北の街を歩く  ダンテコーヒー(丹堤珈琲)  水餃子に舌鼓  台湾のタクシー  台北駅  台北駅から鉄道に乗る  九份(きゅうふん)へ向かう道  10年前の台湾旅行の思い出  瑞芳駅から九份(きゅうふん)へのバス  九份の不思議な路地  台湾スイーツ・芋圓  九份のお土産  九份の路地  豎崎路  九份からの帰り道のタクシー  瑞芳駅の日本語インフォメーション  瑞芳駅から台北駅へ  台北駅地下ショッピングセンターでの夕食  台北でUFOキャッチャー挑戦  食後の餃子 

旅行3日目
おっぱいの傷  現地のご飯をよく食べる息子  台北の地下鉄  中山國中駅周辺のホテルでお茶  行天宮(関帝廟)  占い横丁  榮星公園  鼎泰豊(ディンタイフォン)でお昼  大安森林公園  永康街  台湾人の親子  タピオカミルク  城中市場  “東台布鞋荘”という靴屋  西門町  万年百貨  阿宗麺線  地下街での最後の夕食  餃子をテイクアウト 

旅行4日目
コスモスホテル最後の朝食  二二八和平公園  台湾民主紀念館  台湾の駅弁  帰りのツアーバス  台湾の駅弁を味わう  帰りの飛行機  成田空港にて  初の子連れ海外旅行の終わりに 

子連れ海外旅行の覚書
息子(1歳11ヶ月)の旅行準備  旅行に行ってから持っていけばよかったと後悔したもの 

メールお待ちしております!
メールお待ちしております! 



たび猫シリーズ
子連れ家族旅行記
子連れ家族旅行記一覧: 伊豆・下田旅行記 / 道後温泉旅行記 / 沖縄・宮古島旅行記 / 高知県・土佐旅行記 / 島根・鳥取旅行記 / 東京ベイホテル東急宿泊記 / 東京・上野旅行記
地域別はこちら:たび猫の子連れ家族旅行記
妊娠・育児
マタニティ日記
看護師・保健師
看護師転職記 保健師学校の思い出 看護師のお仕事!
看護師のお悩み相談室
海外旅行記
プラハ旅行記 イタリア旅行記 ポルトガル旅行記
ギリシャ旅行記 南欧・モロッコ旅行記 みんなの旅行記
国内旅行記
福岡旅行記 長野旅行記 那須・鬼怒川旅行記
子連れ家族旅行記 > たび猫の台湾旅行記2008
たび猫
読書・食べ歩き日記
旅行大好き・たび猫!ホーム
ネット以外のお友達
カンボジア&タイ旅行記  素材屋花子  育児の悩み相談・雑談掲示板