実は私、10年くらい前に台湾に来たときも九份(きゅうふん)の町に行っているのだ。ただ、その時は台北からずっと車で行ってしまったので、今回のように電車とバスを使って九份の町に行くのは初めてである。
さて、ではなぜ前回は車で九份の町まで行けたのかというと、実は台湾人の知り合いが私たちを車であちこち案内してくれ、その際に九份の町にも連れて行ってくれたからだ。ちなみに、その台湾人は、私の友達の友人である。詳しく言うと、私の地元の友達で、台湾が大好きなあまりしばらく台湾に暮らしたことがあるという人(M君)がいて、その彼が私とみーちゃんが台湾旅行をするというのを聞いて紹介してくれた台湾人の友人なのだ。
日本を発つ前M君から、私たちが台湾に着いたらぜひその友人に電話するよう電話番号を渡された。台北に着き、電話をすると、その台湾人の友人はありがたくも1日私たちのために時間を空けてくれ、車で色々案内したいと申し出てくれたのだ。
私の友達の台湾人の友人は、まだ若い20代のご夫婦だった。でもとてもお金持ちらしく、大学は二人ともアメリカかカナダの大学を出ているし、カナダにセカンドハウスまで持っているという。そんな二人が私たちを色々なところに連れて行ってくれ、台湾のおいしいものを色々ご馳走してくれたのだ。
しかし、私とみーちゃんはその時当然そのご夫婦とは初対面である。しかも私たちが北京語を話せないため、英語での会話である。ご夫婦は英語がぺらぺらだから問題ないけど、私たちはお世辞にもぺらぺらとはいえない。だから、当然のように車内での会話もそれほど盛り上がるでもなく、ちょっと話してはすぐ会話が途切れるというような、ぎこちないものであった。
そんなお荷物な私たちであってもご夫婦はとても親切にしてくれ、行く場所それぞれで、そこのおいしいものを私たちにご馳走してくれる。それはとてもありがたいのだが、あまりにも色々なものをご馳走してくれるので、最後は本当にお腹いっぱいになってこれ以上食べられないという状態になってしまった。そこで、最後にご飯をご馳走してくれるということになったとき、とても食べられないと思った私たちは、「二人で1人前をいただきます」ということを英語で伝えたつもりであった。
ご夫婦は笑顔で“OK”とうなずいたのだが、私たちの文法が間違っていたのか、それともご夫婦は私たちが遠慮していると思ったのか、悲しいかな、二人の目の前にはちゃんと1人前ずつ料理が出てきたのであった。それを見てげんなりする私たち。この時ほど、自分の語学力のなさを恨んだことはない。
結局、ご夫婦のご好意を無駄にすることはとてもできないので、本当に二人とも死に物狂いで最後のご飯を詰め込んだ。食いしん坊の私でも、こんなに食べたのは初めてというほど食べた。本当に喉まで食べ物がぎっしり詰まっている(夢でよくこういう夢を見る)、そんな感じがするほど最後は詰め込んだのであった。
今回、そんなことを思い出しながら九份の町を目指した。考えてみれば、このご夫婦の親切のお陰で、九份の町のことを知ることが出来たのだ。あの時、九份に連れて行ってもらわなければ、今でも九份のことを知らなかったかもしれない。何しろガイドブックを見ても、九份の町は数ページ程度の扱いなので、もしこの町のことを知ったとしてもわざわざ来ようとは思わなかったかもしれないのだ。
ご夫婦とはその後数年間、クリスマスカードのやり取りなどをしていたが、いつの間にかそれもなくなってしまった。でも見ず知らずの私たちにあれほど親切にしてくれたご夫婦に、今でも感謝している。
ご夫婦に案内してもらった九份の町は、とても不思議な雰囲気に満ちた町だった。まるで何十年も前の世界にまぎれてしまったみたいな町なのである。その時の九份の町の不思議な雰囲気が忘れられず、またその時に食べた白玉団子のようなおいしいスイーツが忘れられず、そしてそれをぜひとも夫と息子にも経験させてあげたく、今回再訪したのである。
前回は台北からラク~に車で行ってしまったが、今回は全部自分たちの足でたどり着かなければならない。というわけで、瑞芳の駅を見たのも初めてだし、瑞芳の町(といっても駅前だけだが)を見たのも初めてだ。面倒なことも色々あるが、自分の目であちこち見ながら向かうのはやっぱり楽しい。
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