さて、息子のウンチはさておき、私のオッパイの傷はどうなったかというと、朝になり少しは良くなっていることを期待していたのだが、良くなるどころかむしろ痛みがさらに強くなっているのだった。痛いというよりは、もう激痛という感じである。本当はウンチどころの騒ぎではなかったのである。
どんなに痛くても、息子が欲しがれば授乳もしなければならない。何もしなくても痛いのだから、授乳をするとそれはもう、オッパイがちぎれるのではないかというような、心臓がドキッとするようなものすごい痛みが私を襲うのだ。
だからもう授乳の時間は悪夢のようだった。授乳するのにものすごい覚悟が必要で、まさに清水の舞台から飛び降りるような覚悟を決めて、息を止めて授乳する感じであった。
昨日まで、このオッパイの傷をよく見ていなかったので、今日は恐る恐る傷をよく観察してみることにした。右の乳首の下にできた傷なので、見ようと思ってのぞきこまなければ、よく見えないのだ。
そして見てびっくり!!なんと、傷なんていうものではなく、ひどくなりすぎたのか穴のようにえぐれたようなかたちになっていたのだ。「こんなになってたら、そりゃあ痛いだろう」というような状態に自分でもびっくりしてしまった。
授乳中のトラブルとして、乳首に傷ができるというのはよく聞くが、私のはもうそれを通り越してしまっているような気がする。こんなひどい場合はいったいどうしたらいいのかさっぱりわからず、台北でしばし呆然とする私であった。
ただ、オッパイに傷ができた場合、そこからばい菌が入り乳腺炎になるという話もよく聞くので、乳腺炎になっていないことはせめてもの救いだ。乳腺炎になると高熱が出たりするので大変なのだ。こうなったらとにかく、乳腺炎になることだけは、何がなんでも阻止しなければならない。
そこでやれるだけのことはやっておこうと思ったが、まさかこんなことになるなんて予想だにしていなかったので、この傷の治療に使えるようなものは何も持っていない。あるのは絆創膏くらいのものである。とりあえず、傷が服に触れただけでも痛いので、絆創膏だけは貼っておいた。以上、治療終了である。
しかしあの傷の深さから言って、これしかできないのではあまりにも心もとないので、他にできることをあれこれ考えた。そしてもう一つ使えそうなものを持っていることを思い出した。ホメオパシーである。
ホメオパシーとは代替療法の一種で、詳しい説明はここでは避けるが、現在の医学とは違った方法で、体の自然治癒力を引き出し、病気を治していこうとするものである。ホメオパシーでは、レメディーと呼ばれる小さい乳糖の固まりみたいなものを薬のように飲むが、現在よく使われている西洋医学の薬とはぜんぜん違うもので、副作用というものがまったくない。だから子どもにも安心して使えるので、私は息子にはもっぱらこれを使っているのである。
今回の旅行にも、“ホメオパシー家庭用キット”みたいなものを持ってきていた。これは日常よくある症状に対応したレメディーが色々入っているキットで、旅行などにはいつも持ち歩いているのだ。「もしかしたらこのオッパイの傷にも使えるレメディーがあるかもしれない」と思い、わらにもすがる思いでホメオパシーのガイドブックをめくり、使えるものがないか探してみた。
すると、ありました♪オッパイの傷にマッチするものが。とりあえずそれを飲んで様子を見守ることにした。あとは私の自然治癒力に頼るのみである。
しかし、せめて痛み止めくらいはもってくれば良かったと後悔した。しかしないものはないので、痛みを我慢しながら旅行を続けるしかない。
ついでにいうと、もう一つ後悔したことがあった。それは、私たち夫婦は「どうせ使ったことがないから今回も必要ないだろう」という理由で、今回海外旅行保険に入らなかったことである。息子はまだ小さいので体調を崩しやすいから、こちらで病院にかかることがあったら困ると思い、息子だけは保険に入れてきた。
ところが、である。息子はいたって元気で、今病院にかかるリスクが極めて高いのは私のほうである。現実はわからないものだ。もしこのまま乳腺炎にでもなって、高熱が出てオッパイが腫れてしまい、病院に行かずにはいられない事態にでもなったらどうしよう・・・。海外で自費で病院にかかったら、莫大な治療費がかかる・・・。そんな不安が私の頭をよぎるのであった。
まったく、海外旅行ではこのようにどんな不足の事態が起こるかわからないので、やはりもしもの時の備えは必要だなーと今更ながら思う私たちであった。とりあえず今回は、気合で乗り切るしかないと思い、自分の体の強さを信じて、気を取り直して準備をするのであった。
と言っても、喉もと過ぎれば熱さ忘れるではないけど、日本に帰り、しだいにオッパイの傷が治るにつれ、この時の痛みを忘れてしまったのか、2ヵ月後に再び台湾旅行に行くときには、またしても海外旅行保険に入らない私でであった。
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