さて、ここでロープウエイは終わりではなく、ここは中継地点でさらに次のロープウエイに乗り換えなければならない。ロープウエイを降りて、細い階段を昇り、次のロープウエイに乗る。今度のは大きいゴンドラで、たくさんまとまって乗っていくものでホッとした。ただこちらは15分間隔くらいで出ているので、しばし待つ。
息子はすっかり恐怖心などなくなったみたいで、こちらのゴンドラにも嬉々としてどんどん自分で乗り込んでいった。先ほどのロープウエイは10分くらい乗ったけど、今度はもっと短く4分くらいの乗車時間らしい。たしかに終点の獅子岩駅がすぐ向こうに見えた。
たくさんの人を乗せて、ロープウエイは出発した。ロープウエイはいかにも山頂近くのとがった尾根のあたりを走っている感じだ。ロープウエイの向かって右側と足元には、切り立ったような急な山の斜面が、そして左手のほうには瀬戸内海の海が見渡せた。この辺の緑もやはりものすごく深くて濃い原始林の美しい緑で、それも素晴らしいけど左手遠くに見える瀬戸内海の景色も素晴らしかった。私ももう恐怖心はまったくなく、純粋にロープウエイからの景色を楽しむことができ、さっきとはうって変わって「ああ、来て良かった」と本心から思うのであった。
ロープウエイはあっという間に終点の獅子岩駅に到着した。
とりあえずロープウエイの駅の建物から外に出て、まわりの景色を眺めて見ることにした。といっても、実はここが弥山の山頂なのではないのだ。本当の山頂は、ここからさらに徒歩で30分くらい登ったところにあるのだ。
外に出ると、そこからちょっと離れた向こうに山頂らしきところが見えた。弥山の山頂は双子のような形になっているのだろうか。獅子岩駅のところも山頂みたいな雰囲気のところで、そこから少しくぼんだところをはさんで、向こうに山頂らしき山の頂が見えるのだ。
見たところ、山頂まではほんの少しといった感じに見える。案内によると歩いて30分というくらいなのだから、たいした距離ではなさそうだ。獅子岩駅周辺でも十分眺望は素晴らしいのだけど、山頂のほうまで歩けば景色だけでなく見どころもたくさんあるみたいなので、これはぜひとも登ってみたい。夫の結婚式が終わるまでまだ時間があるので、ちょっと登ってみようかなと思ったけど、やっぱりあとで夫も連れて出直してこようと考え直した。
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