私は尾道にいた頃より、だいぶお腹の調子は落ち着いてきたが、それでもやはりまだ本調子ではない。それにかなり疲れていた。ビジネスホテルなのでもちろん夕食はついていないので、これから夕食をどうするか考えなくてはならない。時間ももう19時近くになっていた。
夫に何か買ってきてもらおうかと思ったけど、やはり部屋でただ待つのはもったいないので、またちょっと出かけることにした。
広島にはおいしいものがたくさんあるけれど、とりあえずお好み焼きが食べたかったので、フロントの人に近くにおいしいお店がないか聞いてみることにした。
ホテルのすぐ近くには、いわゆる有名店というものはなく、やはり広島駅まで行かなくてはならないということ。駅の建物の中の食堂街みたいなところに、おいしくて有名なお好み焼き屋があるというので、再度駅に向かった。
駅まで行くのは面倒だと思ったけど、行ってみたらすぐだった。さっきはかなり疲れていたし、大きな荷物を持っていたからもっと距離があるように感じたが、身軽であればけっこう近い。アークホテルは賑やかなところからちょっと外れているが、なかなか便利なところにあるかもしれない。
駅の建物の中の2階の端っこのほうに、教えられた食堂街がある。そこへ行って、はしから順にお店をのぞいてみた。色々な種類の食べ物屋さんがあった。
とりあえずここに来れば、食べ物に困ることはなさそうである。
ホテルに教えてもらったおいしいお好み焼き屋さんは“麗ちゃん”というのだが、行ってみるとすぐにわかった。カウンターとテーブルがいくつかあるだけの小さいお店だけど、スタッフもお客さんも多く、活気にあふれていた。さすがである。通りに沿ってカウンターがあり、その目の前では何人かの人が、じゅうじゅうとお好み焼きを手際よく焼いていた。いかにもおいしそうである。
本当はお店で食べたかったけど、もう時間も遅かったし息子も私も疲れていたので、お持ち帰りしてホテルでゆっくり食べることにした。お店はすごく混んでいたけど、たまたまスタッフが一人私たちのところを通りかかり、すぐに注文を聞いてもらうことができた。
お好み焼きは麺入りと麺なしで選ぶことができ、しかも麺はうどんかそばも選ぶことができる。私たちはチーズ天とイカ天の2つをどちらもソバ入りで頼むことにした。お持ち帰りは10~15分くらいかかり、その間適当にその辺をぶらぶらしてきてもいいと言うので、食堂街をブラブラしてくることにした。
他にもおいしそうなお店が色々あった。それに“第2麗ちゃん”という姉妹店(?)もあった。そっちもけっこう混んでいた。同じ味なのだろうか?
途中で夫と息子は飲み物を買いに行き、私はお店の前に戻り、そこで出来上がるのを待つことにした。カウンターの前で焼いている人の手際の良さに見惚れてしまう。いかにも人気のお店って感じがして、早く食べたくて待ちきれない気分。
15分くらいで出来上がり、注文を取ってくれたお姉さんが、私のところに持ってきてくれた。お会計は先に済ませてあったので、商品を受け取るとすぐにホテルに帰る。早く帰って、なるべくできたての熱々を食べたい。
ビニールに入れられた2種類のお好み焼きは、思ったよりも大きくてずっしりしている。これならたっぷり食べられそうだと嬉しくなりながら、足取り軽くホテルに戻った。帰りはぽつぽつ小雨も降り出していたので、ちょうど良かった。
ホテルに戻る途中に、駅のおにぎり屋さんで美味しそうなお赤飯のおにぎりも息子のために買った。息子はものすごくお腹がすいていたみたいで、帰り道むしゃむしゃそのおにぎりを食べていた。
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