たび猫の島根・鳥取旅行記

旅行1日目

伝説の出雲大社

 やっと本殿までたどり着いた。人がまばらだった参道にくらべ、本殿の前はさすがにたくさんの観光客で賑わっていた。そしてやっとたどり着いて目にする出雲大社の建物は、本当に立派でものすごいものだった。

 まずは拝殿にかけられている有名なあのしめ縄がすごい!!ものすごい大きさで迫力がある。これを見ただけでも、なんだか普通の神社とは違うものすごい神社に来たという気分が味わえたような気がする。それにこのしめ縄は大きいだけではなく、その張り方も普通の神社とは違い、反対になっているという。そういうのを聞くと「どうして?」と思ってしまうが、いろいろな人が色々な理由をあげているらしい。

 そんな中で私は、井沢元彦さんの書いた『逆説の日本史』という本で唱えている理由がすごく面白いと思った(内容を知りたい人は本を読んで見てください)。なるほど~、こういう日本史の見方があるのかと思うものだった。それが正しいかどうかは別にして、こういう説を読めば読むほど、日本史が面白いと感じるし、また出雲大社の神秘さというか不思議さが感じられ、興味が湧くのであった。ここでその説を説明するのは難しいし長くなってしまうので、興味がある人は、ぜひ本を読んでみてください。

 そして拝殿のしめ縄よりすごいと思ったのが、その後ろにどーんと控えている本殿である。それはまさに神話の世界の建物のようであった。私が今までに見た、他のどんな神社とも違った形の建物で、屋根の形といい、とにかく古そうな感じの黒ずんだ色といい、そこだけ時間が止まってしまったような、というかそこだけ時を越えた古代の世界が現れたような、不思議な雰囲気の空間となっていた。

 出雲大社のご祭神は大国主神(オオクニヌシノカミ)だが、まるで今でも本当に大国主神が住んでいそうな雰囲気だ。といっても、本殿はもちろんそんな神話の時代に建てられた建物ではない。今の本殿は、1744年に建て替えられたもので(それでも日本においては十分古い建物だと思うが)、高さは24mもあり、神社としては破格の大きさらしい。

 この本殿の高さにおいてもまた謎というか面白い言い伝えがあり、これがまた出雲大社の神秘さみたいなものを感じさせる。それはこの本殿が1744年に建て替えられる前は、現在よりもはるかに高かったらしいということだ。

 それは平安時代の口遊によるらしいのだが、それによれば当時「雲太、和二、京三」と言われていたというのだ。それは当時の日本の大きな建物をあらわしたもので、「雲」は出雲大社、「和」は東大寺大仏殿、「京」は京都の大極殿(京都御所の建物)のこと。そして「太」、「二」、「三」はそれぞれ、太郎、二郎、三郎で、順番をあらわしていて、出雲大社が日本で一番大きい建物だったというのだ。

 そしてその高さは、平安時代には約48m(今の2倍!)あったと伝えられているし、それよりももっと昔の創建当時は、驚きの約98mもあったと伝えられているというのだ!それが本当ならすごいことだ。

 さすがにそんな昔にそんな巨大な建築物を作るのは不可能だと言われていたらしいが、最近の発掘で過去の巨大柱が発見され、それが出雲大社宮司の国造家に伝わる古代の巨大出雲大社本殿の設計図の柱と類似していたという。嘘みたいに大きい本殿だったということも、あながち伝説ではなさそうだということになってきているらしい。

 この話はすごくロマンがあるというか、歴史に対する想像があれこれ広がってドキドキするほど面白いと思った。エジプトのピラミッドの謎も面白いけど、日本にだって負けないくらい面白い歴史の謎があるのだ。

 この後島根県立古代出雲歴史博物館というところに行き、その伝説上の古代出雲大社の本殿を再現したものを見るのだが、自分の頭の中でイメージしていたものを作り物とは言え、形として見ることができるので、さらにワクワクした体験をすることができるのであった。

 ところで、私たちが旅行したこの年(2008年)は、60年ぶりの平成の大遷宮の年であった。大遷宮とは、本殿の改築・修理をするに伴い、祭神の大国主神を仮の本殿である仮殿に遷すことを言う。修復は60年から70年おきに行われてきたらしい。そして修復が終わるのは5年後の平成25年で、そのときにご神体は仮殿から本殿へ戻るということだ。

 今回この平成の大遷宮において、ご神体が仮殿に移された春頃、いつもは参拝できない本殿が一般に特別公開されていたらしい。60年に一度本殿の内部を拝める貴重なチャンスがあったということなのだ。

 私たちが行った時には、この特別公開はやっていなかった。出雲に行く前にこの特別公開のことは知っていたが、その時は別に本殿の中なんて見なくてもいいやなんて思っていた。が、実際にあの本殿を目にしたら、あの不思議な雰囲気の建物の中がどうなっているのか、ぜひとも自分の目で見てみたかったと後悔した。貴重なチャンスを逃してしまい、本当に残念である。

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旅行1日目
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