さて、この後息子にも授乳し、少し休ませた後、夕食前に少し散歩をしてくることにした。道後温泉の見所の本館や、賑やかな商店街もすぐそこなので、いたって便利である。部屋には外から鍵をかけることができないので、貴重品は持って出かけた(一応預けることはできるが)。
まずは、道後温泉の中心である道後温泉本館に向かった。
向かったといっても、宿から出ればすぐそこに見えるくらいの距離である。宿は道後温泉本館の裏に位置しているので、裏側から回るような感じで本館を見学した。
道後温泉本館というのは、道後温泉の中心にある共同浴場である。本館の裏側には、狭いがけっこう交通量の多い道路が走っているのでそこを渡り、本館横の歩きやすく整備された歩道に沿って、建物の正面に向かって歩いた。
この建物、もちろん正面から見る顔が一番正式な顔なのかもしれないが、正面から向かって左側の横の歩道部分から見る建物の景観もとても良いのである。かえってこちらから見るほうが、道後温泉独特の妖しさを放っているようで、私はこちら側から見る本館が一番好きだった。
ご存知の方も多いと思うが、この道後温泉本館は、あの宮崎駿さんの『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルになったと言われているらしいのだ。これは実際にこの建物を見て納得。まさに、『千と千尋の神隠し』の世界のなんともいえない、妖しい雰囲気を感じたのであった。
横から見ると、2階は客席になっており、開け放しのちょっと表に張り出した窓が横にずっと広がり、昔の日本家屋のような低い手すりがついている。そしてそこにはすだれがかかっているので、中に電灯がともっていて人で賑やかそうなのはわかるがはっきりと中は見えない、といった情景。
温泉で熱った体をここの窓のところに出てきて、おそらく涼むのであろう。外から見るこの建物のつくりと、中の賑やかさ、それにすだれからもれてくる灯りなど全ての要素が、現代のあちこちで見られる建物の様子とは異なり、独特な世界をかもし出しているのである。まるでふと見上げたら、窓の一部分にあの千尋がもたれかかって、心細そうに外を眺めていそうな気さえしてくるのであった。
建物の周りもとても賑やかであった。ここら辺では、各旅館やホテルに泊まりながら、みんなそれぞれの施設の浴衣で道後温泉本館にお風呂に入りにくるのが普通らしく、本館内部だけでなく、建物の周りもこの辺あちこちに、浴衣姿の人があふれているのである。最近これだけ活気があり、賑やかで楽しそうな温泉街というのに私は来たことがなかった。これは本当に楽しい光景であり、旅心を十分満たしてくれるものでもあった。
道後温泉本館正面には、観光用の人力車が数台停まっていたりする。
この建物の前では、この人力車はちっとも場違いな感じはしない。本当にこの建物の部分だけは、100年くらい前にタイムスリップしたみたいな感じであった。
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