そしてその道後温泉の本館の裏の、狭い道を一本隔てたところを少し入ったところに、私たちが宿泊する“常磐荘”があった。本館とは目と鼻の先と言った感じで、立地的にかなり良い。
しかもこの常磐荘、HPで見たとおり、こじんまりとした小さな建物で、本当に大正時代とかを思わせるような、今はもうそうめったにはお目にかかれないような古い趣のある建物であった。
周りには、今時の大きい旅館やらホテルが立ち並んでいる中、明らかに雰囲気の違う、そして昔ながらの旅館といった感じである。今時こういう旅館を探すほうが難しいのかもしれない。『坊ちゃん』と『坂の上の雲』を思ってはるばるやってきた私たちにとっては、かなりおあつらえ向きな宿のような気がした。
旅館の前でタクシーのおじさんが荷物をおろしていると、すぐに若女将が中から出てきて私たちを歓迎してくれた。タクシーの料金はここまでで3,110円。だいたい20分くらいの道のりであった。若女将はまだ若く、うちの息子よりもちょっと大きい息子さんがいらっしゃるらしく、しばらく子供の話などをする私たちであった。
開けっ放しの玄関を上がった目の前に、古い昔っぽい階段がある。そこを上がり、狭い廊下をいくつか曲がり、他の部屋から廊下をいくらか進んで、ちょっと離れたところの突き当たりの部屋に案内された。
私たちは離れを予約したのだが、離れというとまったくの別棟みたいなものを想像していたのだが、どうやらそうではないらしい。他の部屋とちょっと離れているから離れというらしい。たしかに他の部屋を見ると、本当に隣通しくっついていて、明らかに声とかが聞こえそうである。離れの部屋は他の部屋から多少離れているので、うちの息子が泣いたりしてもそれほどうるさく聞こえないだろうから、まあよしとすることにした。
部屋は6畳一間の普通の民家の部屋と言った感じだ。入り口はふすまだけで、中からかけられる簡単な鍵しかついていない。本当に普通の部屋の一部屋を借りていると言った感じ。最近のよくある旅館に慣れていると、ちょっと戸惑ってしまうような感じでもある。
お風呂は前に書いたように、旅館には一つしかない。そのほかトイレ・洗面所も2階に1箇所あるだけで共同である。今時の設備やアメニティサービス満点の旅館やホテルを期待している人には、ちょっと合わないかもしれないが、私たちの今回の旅にはぴったりの雰囲気である。ちょっと民宿っぽい感じもし、また『坊ちゃん』の中に出てくる宿屋や下宿がこんな感じだったのではないだろうか、と偲ばれるような宿である。
女将の説明を一通り聞き、部屋に用意されていた“坊ちゃん団子”とお茶を飲みながら、しばしくつろぐ。この坊ちゃん団子は、漱石の『坊ちゃん』に因んで作られたお菓子らしい。
『坊ちゃん』の中で、坊ちゃんが団子を食べるシーンは印象深いのでもちろん覚えている。小説を読んで、団子がいかにもおいしそうだったので、松山に行ったらぜひこの団子を食べたいと思ってたのでちょうど良かった。
この坊ちゃん団子は、お餅を三色の餡でくるんだものだというが、団子自体は小さいのだが甘さたっぷりなので、1本でけっこう満足感がある。血糖値が急激に上がるからかこれだけでお腹いっぱいになってしまうような感じだった。
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