当日、お昼ちょっと前に上野に着き、そのまま小松旅館に向かった。チェックインは16時からだったけど、荷物を預かってもらうため。近場とはいえ1泊するとなると、子連れだとそれなりの荷物があるからだ。インターネットの地図によると、小松旅館は駅前の丸井のすぐ裏あたりにあるみたいだ。丸井を目指して歩いた。
丸井の辺りは、飲食店が並んだ繁華街がたくさんある。昔保健師の学校に行っている頃、学校が上野から近かったこともあり、時々この辺でご飯を食べた記憶がある。でもこの辺に旅館があった記憶はまったくない。いったいどこにあるのだろうと思いながら向かった。
丸井の横から入る路地があり、たぶんここを入って少し行ったところだろうと思い、そこを曲がって賑やかな繁華街のほうへ行ってみた。丸井のところから少し入ったところで1本の道と交わる。この道もたくさんのお店が並ぶ、昼間でもけっこう賑やかな路地だ。ここを電車のガードに向かって右に曲がるとすぐに、目当ての“小松屋旅館”の看板が目に入った。丸井からほんの少し歩いたところで、まさに駅近の旅館だった。
旅館は小さな建物で、両脇は一杯飲み屋みたいなお店だ。昼間だったけど休日のためか、けっこう普通の若い感じの人が店先にいる。店先は立ち飲みやっぽい雰囲気だ。こんな感じで飲食店の中に埋もれるようにして小松旅館はあった。
私たちは“小松屋旅館”を探してここに来たから目についたけど、たぶんただぶらぶら歩いているだけなら、きっと気づかなかっただろう。現に学生の頃、この辺には来たことがあるけど、見た記憶がないのだ。
なんだか昔のお茶の間ドラマに出てきそうな雰囲気の玄関を入ってみた。いかにも昔の家といった感じの玄関の作りだ。ちょうど玄関先にやや年配の女の人がいたので、名前と荷物を預かってもらいたい旨をつげると、すぐに女将を呼んでくれた。
すると中から「お待ちしてました」とこれまたやや年配の感じの良い、そしてどことなく上品な感じの女将が出てきてくれた。そして先ほどの女性と女将、私たちとでしばし世間話などをした。
私が「随分便利な場所にありますよね」というと、「そうなんです。ずっと昔からここでやっているんですよ」と言っていた。お二人とも東京生まれで、生まれたときからずっと東京に住んでいるけど、いまだに東京タワーに登ったことがないとか話していた。そんなもんだろう。
それにしても旅館のまわりはすごく賑やかな繁華街なのに、この旅館の玄関に一歩入った途端、まるで別世界に入った感じがする。都心の繁華街の真ん中にいるというのに、まるでどこか田舎の懐かしい感じの旅館に来たようなそんな雰囲気。建物が古いというだけじゃなく、このお二人のアットホームな雰囲気のせいもあるだろう。ネットの口コミに納得という思いがした。
あまりにも周りの町の雰囲気とこの旅館の雰囲気が違うので、きっと何十年も前から同じ建物で旅館業をやっていて、気づいたらこんな繁華街に埋もれていたというように、旅館だけは変わらず、まわりの町の様子がどんどん変わっていったのかもしれないと思うのであった。
息子は私たちが話している間、緊張した様子でじっと固まっていた。初めての場所で初めての人と会い、緊張しているみたいだ。話しかけられてもまだ返事もできそうにない。1泊するうちに慣れてくれるといいんだけど。
少し話をしたあと荷物だけ預け、自分の家から見送られるようにしてすぐに旅館を出発した。今回の一番の目的である上野動物園に行くことにした。
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