まったくの余談だが、私は普段はテレビをあまり見ないのだが、土曜日だけは見たいテレビ番組が盛りだくさんなのである。まずは18時30分からのテレビ朝日、「ぽかぽか地球家族」。そして20時からはNHKの「世界遺産」、または「世界遺産」がやっていなかったり、面白そうなゲストによっては「オーラの泉」なんかも見たりする。この番組、水曜日の23時からだったのに、いつの間にか土曜日のこんな時間に移っていてびっくりした!こういう内容の番組が、こんな時間帯に放送されるなんて、時代は変わったものだと感心。
21時からはTBSの「世界不思議発見」。まだまだ続く。22時からは日本テレビの「エンタの神様」。こうなるとほとんどテレビを見っぱなしの状態だ。でも、「ぽかぽか地球家族」にしろ、「世界遺産」にしろ、「世界不思議発見」にしろ、私の旅へのヒントを与えてくれたり、旅の想像力をかきたててくれるので、楽しみな番組なのだ。それに勉強にもなったりするので、こういう番組がもっと増えるといいなって思う。
話をもとに戻すと、ちょっと安心したこともあって、この日も20時から『世界遺産』を熱心に見ていた。見終ったころ、ちょうどそこへ姉から電話が。旅行の感想でも聞きに電話をしてきたのかと思ったら、まさかの事実を告げられた。なんと、数日前まで一緒に過ごしていた例の姉の次女が、マイコプラズマ肺炎にかかっていると診断されたというのだ!!姉はうちの息子にもうつっていないか、心配して電話をかけてきてくれたのであった。
これにはもうびっくりであった!しかも症状を聞くと、驚くほど姪っ子と息子の症状は似ているのである。鼻水と咳、それにひどい目やに・・・(子どもは鼻涙管なども細いので、鼻がつまると目やにがすぐ出やすいという特徴もある)。息子は今のところ熱はないが、マイコプラズマ肺炎は熱もあまり出なかったりするから油断ならない。
もしかしてうちの子もマイコプラズマ肺炎・・・?やっと安心できたと思ったのも束の間、また私たち夫婦は奈落の底に突き落とされたような気分になった。
姉の電話を慌てて切り、私たちの住んでいる地域の救急指定病院にすぐさま電話を入れた。病院にかかったほうがいいかどうか判断に困るときは、病院に電話で相談してからのほうが良いのでまずは連絡してみたのだ。そして「かくかくしかじか・・・。というわけで、息子がマイコプラズマ肺炎にかかっている可能性があるのだが、時間外の今、受診したほうがいいですか?」とはやる気持ちを必死で抑えて説明する私であった。
病院の担当の方は、「そうですね。今すぐ来てください。」と言う。慌てて電話を切ろうとする私に、担当者の方は「ただし、今来てもらっても、だいたい2時間待ちだということを承知しておいてください」とのことであった。
厳しい現実だが、これが今の日本の医療の現実でもあるのだろう。はっきり言って、こんな夜遅く行って2時間も待たされたら、かえって具合が悪くなりそうである。だからこそ、たいした病気ではない場合、時間外の夜間の救急病院なんてむやみに行かないほうがいいのである。これはその人のためにも、そして本当に救急でかかる重症な患者さんのためにも、お互いのためのことでもあるのだ。
2時間待ちという厳しい現実だが、私たちは東京に住んでいるので、こうして時間外でも夜中でもかかれる病院があるだけ、まだ幸運だった。本当にこのときばかりは、息子のことを診てくれる病院があることに、心から感謝したのであった。
私たちはすぐに用意を済ませ、眠っている息子をスリングに入れて私が抱きかかえ、家の前からタクシーに飛び乗って、一路病院を目指すのであった。
幸い救急病院は、私の家からけっこう近く、ドレス姿のお姉さんとかが道にいる怪しげな繁華街を抜けてすぐに着いた。タクシーを降り、薄暗い待合室に行くと、かなりたくさんの人が待っていた。なるほどこれなら2時間はかかるかもしれない、というほどの人数であった。
ふと壁を見ると、大きな文字でディズニーランドみたいに、“現在の待ち時間の目安・・・3時間”と書いてあった。電話したときよりもさらに伸びている事実にかなりがっくりし、覚悟をして待つことにした。
すやすやと私の胸の中で眠る息子は、私の冷静ではない目で見るからか、だるそうで苦しそうでとてもいじらしく見えた。「ごめんね、ママが悪かった」と心の中で謝りながら必死で息子を抱きしめていた。そして待合室の椅子に座り、ぎゅっと息子を抱きしめ、目を閉じずっと祈るような思いでいた。
こういうとき、人間はどんどん悪いほうにばかり考えてしまいがちだ。でもスピリチュアルな視点から見ると、マイナスな思考はマイナスの波動を持っていて、ますますマイナスの出来事を引き寄せてしまうという法則があるらしいので、私はなるべく自分の心を明るい状態に保つように意識を集中していたように思う。
そしてまるで眠っているかのような時間が流れた。でもこのときの私は、決して眠ってはいなかった。でもまるで眠っているかのような不思議な感覚。待合室の空気からは、完全に遮断されていたように思う。そして次に目を開けたときは、妙にすっきりした私がいた。どうやらやっとマイナス思考から抜け出したみたいだ。
少し落ち着くことができ、すごく喉が渇いていることにも気づき、自販機までジュースを買いに行く余裕まで出てきた。
こうして待つこと1時間半くらい、姉から電話がかかってきたのが21時頃、すぐに家を飛び出してきたので病院には21時半くらいには着いていたのだろう。3時間待ちという予想よりはだいぶ早い、23時くらいに診察室に呼ばれたのであった。運が良かった。
先生ははきはきした感じの女医さんであった。まずは「お母さん、赤ちゃんに着せすぎ!汗かいてるでしょ!」と怒られて診察は始まった。ついつい風邪を引いているのだから寒くないようにしないといけないと思い、厚着をさせてしまった親心。「汗をかいているのにこんなに着せてたら、かえって風邪を引いてしまう」と怒られてしまった。
この時点で、自分が看護師であることは絶対に隠そうと決意。看護師であることがばれたら「こんなことも知らないの」と軽蔑されそうだったから^^;看護師であると、病院にかかるとき、何かといらぬ気を使ったり、看護師であることをばれないようにしたりけっこう大変なのである(私だけ?)。
全身診察してもらい、その女医さんははっきりと「胸の音はきれいだし、これは肺炎ではないですよ。ただの風邪です」と断言してくれた。このときのこの女医さんの言葉がどれだけ嬉しかったことか・・・。夫と私は本当に安堵の一息をつけた瞬間であった。そしてこの女医さんが天使のように見えたのであった。
先生が言うには、5ヶ月くらいの赤ちゃんであると、マイコプラズマ肺炎にかかることはほとんどないというのだ。可能性ゼロというわけではないが、限りなく低いということだ。それよりもこの時期に咳をしていて心配しなければならないのは、百日咳であるとも言っていた。幸い息子の咳は明らかに百日咳ではないから、それも問題ないと。
こうして息子はただの風邪であるから、鼻水と咳の薬を処方してもらい、念のため月曜日には近くの小児科にかかるよう言われ、診察は終わった。この女医さんはズバズバ物を言う感じなのだが、私たちを安心させてくれるような言葉かけの先生だったので、本当に嬉しかった。何度も何度もお礼を言い、心がさっと軽くなった気分で病院をあとにすることができるのであった。
ここでも医療者の言葉かけの役割の大切さを痛感したのであった。特に病院に来ている小さな子どもの親というのは、冷静でないことが多いので、想像以上にこの言葉のかけかたというのは大事だということを思い知ったのであった。
これでやっと“めでたしめでたし♪”と終わりたいところなのだが、まだまだおまけがついているのであった。
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